すごい漫画を読んだ。『野球魂』だ。
巨人の星みたいな絵柄だなと思ってたら作者は川崎のぼるのアシスタントをしていたらしい。
この漫画は豪速球を投げる野球センス抜群の桜木雄が主人公なのだけど、バッテリーを組む捕手が主人公のことを好きという設定になっている。同性愛だ。この漫画の発売年が1975年ということなのでなかなか飛ばしている。
しかも、1年生のくせに3年生エースを押しのけてエースに座ったかと思ったら、その3年生の彼女、聖子まで寝取ってしまうすごい展開。その聖子は聖子で、「私、強い男が好きなの」とあっさり3年生エースを捨てるあたり、かなりの鬼畜である。
しかも、桜木が落ち込んでいたら聖子は「女って男を慰めるためにいるのかもしれいない」と言う。こんなことを女性キャラである聖子に言わせているあたりびっくりだ。男物の青年雑誌なので気にする人もいない時代だったのだろうが、原作者佐々木守の妄想を描いているのなら気持ち悪い。
この漫画は基本主人公が剛速球で相手をかんたんにねじ伏せるので野球部分はあまり面白いのは主人公をとりまく人間関係であり、登場人物がほとんどクズだ。生意気な1年生の桜木を野球部に迎え、他の部員の不満を受け止め、調整役となり、彼女を取られても桜木には危害を加えない3年生エースは唯一の良心。
主人公の桜木は河川敷、部室ところかまわずに聖子とセッ○スする。避妊はしてんのかと思ってたら、案の定妊娠させてしまう。妊娠したことを告げられた桜木が聖子に堕ろせと言い放った後に更に言った一言がこちら。
甲子園準優勝投手の速球をお腹にくらったら死ぬんじゃないか？
最低の男だ。（大体、このときのタイトルが神聖堕胎ってどんだけ大げさなんだよ……。ちなみにこの漫画のタイトルはすべて漢字4文字で構成されている。なんのこだわりだ？）
桜木をフォローするなら、幼い頃に母親が出ていき、それ以来父親に育てられており、子供を持つことを怖がっているらしい描写もあるので子供がいることを受け入れられなかったのだろうが、それにしてもである。
聖子も色々とあって、桜木に愛想をつかす。愛想をつかした末に取った行動が、後輩のかわいい女子を桜木にあてがうことである。
「私の前で抱かれるのよ」じゃねえよと突っ込みたくなる。
そして、この漫画は桜木のグローブで自慰をする聖子、聖子があてがった後輩とセッ○スする桜木を描いたページで終わる。何この唐突な終わり方。俺の中で最上位にランクする伝説的な終わり方をする漫画になったよ……
